Maintenance "Cleaning"

ザ・ドレッシング・ラボのメンテナンスメニュー「クリーニング」についてお話しさせて頂きます。ドレッシングラボ ではお客様がお洋服をなるべく良い状態で長くお召し頂けるサポートを全力でさせて頂きます。その重要な要素の一つにクリーニングを含む適切なお手入れがあります。

専門店によるクリーニングの必要性

そもそもなぜスーツをはじめとしたウール製品は汚れた際にクリーニングに出さなければならないのでしょうか。それはウール繊維の構造にあります。ウールを顕微鏡で拡大すると、スケールという鱗状のものに覆われていますが、このスケールは水に濡れると立ち上がる特徴があります。水に濡れた状態でウール生地を動かすと、この水に濡れてスケールが立ち上がった状態の繊維同士が絡んでしまい、乾いても外れなくなってしまいます。これが縮みや型崩れと言われる現象です。また特にスーツやジャケット、コート等毛芯を用いて仕立てられたアイテムは、毛芯はじめ袋布など内側に使われている副資材についても縮みを警戒しなければなりません。さらに、仮に生地や副資材を縮ませずに洗えたとしても、今度は洗ってリセットされたプレス(アイロン)を再び施して、立体的に復元させるという難関が待っています。この様に優れているけれど洗うには向いていないウールという素材に加えて、何種類もの素材を立体的に用いて複雑に構成されているテーラードアイテムは、ご家庭で気軽に洗濯できる様にはできていません。実際ドライクリーニング(油で服を洗う事で型崩れを防ぐ手法)の技術が19世紀フランスで発明される以前は、女性のドレスは使い捨てが当たり前、スーツは熟練した職人でも1着につき水洗いに1時間半、仕上げに1時間半かかり、それでも型崩れ等の問題が絶えなかったと言います。

弊店からのクリーニングに関するご提案は、「日常のセルフメンテナンス」「クリーニングの頻度は必要最小限に。その代わり良いところに出す」という2点です。それぞれご説明させて頂きます。

日常のセルフメンテナンス

まずは大切なお召し物のコンディションを保ち、クリーニングの頻度をなるべく減らす為にも、日頃のセルフメンテナンスが欠かせません。特にお勧めのメンテナンスを4点ご提案させて頂きます。

①着用後はジャケット(コート)にサイズのあった厚みのあるハンガーにかけて、最低半日(一晩)影干しをする。(その時に型崩れの原因になるので、ポケットの中身は必ず抜いて下さい。)

②ブラッシングをしてクローゼットに仕舞う(ブラッシングには、ホコリを落とす効果と共に、生地のキューティクルを整えて、風合いを良くする効果があります。)

③パンツのセンタークリース線(折り目線)が薄くなっていたら、完全に消える前にアイロンをかける。ジャケットの背中や袖のシワが一日置いても取れない場合は、霧吹きをして放置する。

④匂いは影干しをしてあげる事で発散させる。それでも消えない場合、1)食べ物やタバコの匂いが着いている場合は、スチームをかけて発散させる。2)裏地に汗の匂いなどが着いている場合は、濡らして固く絞った布で脇や首元等汗を吸った箇所を優しく叩いて汗の成分を取る。(市販の消臭スプレーは生地の風合いを損ねたり、裏地のシミの原因になりますので、お勧め致しません。

着用後はジャケット(コート)にサイズのあった厚みのあるハンガーに

とは言えお忙しい中で全部をきっちりやろうとすると大変だと思いますので、「いざとなったらドレッシングラボに相談すればいいや」という感覚で、せめて①と②を気づいた範囲でやって頂ければ十分だと思います。ちなみに①のハンガーですが、ドレッシングラボではスーツ・ジャケット・コートをご注文頂いた場合、必ずサイズの合った伊マイネッティ社製のTDLオリジナルハンガーを差し上げています。人体工学に基づいた設計でジャケットを立体的に支えながら厚すぎないので、クローゼットで場所を取りません。また滑り止めが着いている為パンツを掛けるだけでキープしてくれる優れもので、ザ・ドレッシング・ラボの店頭でも全てこちらのハンガーを使用しています。上着のサイズに合った立体的なハンガーは靴にとってのシューツリーの様なもので、服の立体感を保ちながら休ませてあげるのにとても大切です。ぜひ拘ってみて下さい。

伊マイネッティ社製のTDLオリジナルハンガー

クリーニングは必要最小限で。その代わり良いところに

「クリーニングに出すと衣類が痛む。だからなるべく出さない方が良い」という意見がありますが、これは正しくもあり、間違いでもあります。そもそもクリーニングに出すと痛むと言われる原因は

① 石油系の溶剤(油)で洗う事で、油性の汚れと共に生地の潤い成分(油分)まで洗い落とされて、風合いが変化してしまう(硬くなる。パサパサになる)。

② 型崩れしてしまう(サイズが変化する。ラペルや胸の立体感が無くなったり、本来と違う位置に線が入る)。

等の理由が挙げられます。しかしこれらの弱点はクリーニング店の方でも認識されており、高級な衣料を専門に扱うクリーニング店に関しては、これらの弱点をクリアされています。とは言え、この問題をクリアされているクリーニング店=高価なクリーニングとなりますので、頻繁に出すのはかなりのコストになります。徒らにコストをかける必要はありません。着用の頻度や状況にもよりますが、多くてもせいぜい1シーズンに1回、しかし目に見える汚れや匂いなどがなければ、もっと少ない頻度でも構いません。セルフメンテナンスの項目でも触れましたが、しっかりとブラッシングと共に影干で湿気を飛ばし、たまにアイロンをかけてあげれば、そのままクローゼットで次シーズンまで保管されてもスーツが痛む様な事はありません。実際私は週1回くらいの着用頻度の衣類を3シーズンくらいクリーニングに出さない事もざらです。「何となく汚れていそうだから」「1シーズンに1回出すのが常識」、そうお考えの方は頻度を見直してみてはいかがでしょうか。その代わりクリーニングに出される時は多少高くても①と②の問題をクリアしている良いクリーニング店に出す、それがお勧めです。

TDLのクリーニングサービス

ドレッシングラボではクリーニングを含むメンテナンス全般のご相談を承っております。弊店でお仕立てしたお洋服はもちろん、お手持ちのどんな服のメンテナンスも喜んでご相談を承っております。状態に応じて最適なご提案をさせて頂きます。

大切なお洋服を長く着て頂く為に「クリーニングは必要最小限で、洗う際は最適かつ最上の方法で」というスタンスのもと、単にご依頼頂いたお品物をクリーニング店に送るだけでは無く、
・お持ち頂いた服が本当にクリーニングが必要かどうかの確認
・染み抜きだけか全体を洗うかの確認
・その他メンテナンスの必要性の確認
この様な確認をお客様とご一緒に行なわせて頂きますので、安心してご相談頂ければと思います。また、クリーニングとあわせてボタン付けやほつれ直し・摩耗の処置・プレス直し等クリーニング以外のメンテナンスも必要に応じてお客様に了解を頂いた上で施しますので、1回お預け頂ければ、クリーニングからメンテナンスまでワンストップでお洋服のトータルケアが完了致します。

生地を痛めない洗い

弊店が採用しているクリーニングは、前述したクリーニングの弱点を高度にクリアしたクリーニングですので、安心してお出し頂けます。生地への負担をできるだけ無くした、且つ環境に配慮した溶剤で油性の汚れを落とした後、水洗いで汗などの水溶性の汚れを落とし、さらに生地に特別なトリートメントを施す事で、生地に新品同様の潤いを与えます。これにより軽くさっぱりとした仕上がりである上に、新品の様な風合いが戻ります。

仕立て工場と変わらないレベルの仕上げプレス

もう一つのポイントである仕上げプレスも、非常に高度です。洗った後のスーツを仕立てた時と同じレベルに立体的に仕上げるのは難しく、私も以前の店ではクリーニング後のスーツにお店でプレス直しを施すのは必須でした。ドレッシングラボでもクリーニング後のスーツをチェックして、必要に応じてプレス直しを施しますが、全くその必要が無い程の立体的かつパリッとした仕上がりです。この仕上がりは、テーラーから技術指導を受けたり、独自のプレス機械を導入する等、新品同様の仕上がりを目指してきたクリーニング店の努力の賜物です。

仕立て工場と変わらないレベルの仕上げプレス

安心の保管サービス

お洋服を沢山お持ちの方に朗報です。弊店ではクリーニングとセットで保管サービスを承っております。クリーニング後にクリーニング店の運営する保管庫にて、適切な温度・湿度のもと半年を期限にお洋服をお預かりするサービスです。ご依頼から約1週間で出庫してお渡しする事ができます。虫食いやカビなどの心配ももちろんありませんので、ビキューナやカシミヤなど高価なお洋服にも最適です。またクローゼットのスペースに余裕ができるのも、お洋服を沢山お持ちの方には嬉しい事ですね。

ウォータープルーフ・コーティングサービス

クリーニング後のお洋服に関しては特別な撥水・防汚・抗菌コーティングを施す事が可能です。清潔な状態を長く保つ事ができますので、おすすめです。

ザ・ドレッシング・ラボのクリーニングサービス、ぜひご利用下さいませ。大切なお洋服を長く気兼ね無くお召し頂ける様、全力でサポートさせて頂きます。