Bespoke Line "Bespoke Shoes"
ザ・ドレッシング・ラボにてご注文を承っている、至高のビスポークシューズをご紹介致します。
「YUKI SHIRAHAMA BOTTIER(ユウキ・シラハマ・ボティエ)」。
京都を拠点に活躍されている、白濵結城(しらはま ゆうき)氏の靴です。パートナーの職人さんとお二人で、最高級の注文靴をハンドソーンウェルテッド製法で作り続けています。
白濵さんとの出会い
以前から同じスーツ業界の先輩や親しいお取引先の方から、「とてもフィッティングが上手で美しい靴を作る、凄腕の職人がいる」と噂には聞いていました。その時はまさか弊店で取り扱うことになるとは思いもしなかったのですが、ご紹介で白濵さんにドレッシングラボに足を運んで頂き、そのままとんとん拍子でお話が進み、定期的にオーダーイベントを開催させて頂くことが決まりました。
そんな噂に聞いて憧れていた白濵さんの技術やビスポークシューズの魅力、特徴をご紹介して参ります。
ドレッシーな靴から、スリッポン、サイドエラスティック、ブーツetc.多彩なデザインながら、どれも本当に完成度が高く、美しいです。
先に作品をご覧になってみたい方は、ギャラリーをご覧になってから読み進めてみてください。
最下部のギャラリーにて、白濵氏の作品をご覧頂けます。
※白濵結城氏の仕立てた靴をいつでもご覧頂ける様、シューズサンプルを常時弊店にご用意しております。お下見だけでも喜んで承りますので、お気軽にご用命下さい。
最高峰のフィッティング精度
白濵さんの靴は1足目から、そして履き始めから満足のいく履き心地が約束されています。俗にビスポークシューズは、『2〜3足オーダーしてようやく納得の仕上がりの靴が出来る』などと言われたりもしますが、白濵さんはこの1足目の仕上がりに全身全霊を注ぎます。1足目からの仕上がりのクオリティを支えているのは、独自のフィッティング手法です。
ビスポークですので、採寸を元に最低2回仮縫いをするのですが、1回目の仮縫いはなんと、透明の樹脂で作った靴で行います。これにより、どこが余っていて、どこが当たっているか、指先やかかとがどの様な状態にあるのか、一目瞭然です。
それから2回目にして、一般的な革で作った靴で仮縫いをします。この時にはかなり高い水準のフィット感となっていますので、微調整にて本縫い(完成品)に進むことができます。万が一ここでフィッティング精度がイマイチの場合は、念のためにもう1回仮縫いを挟んで、間違いなく満足のいく仕上がりを目指すのです。難しい足で、他でビスポークしてもダメだった方も、白濵さんのフィッティングにかかれば解決するとのことです。『自分の足に合う靴が無い』と諦めていらっしゃる方も、試して頂く価値ありです。
私が1回目の透明仮縫いをした時の様子をご紹介します。
まずは靴下を履いた状態で透明の靴を試着。写真の右に写っているのが白濵氏。この後京都に帰るので、出張スタイル。超一流の職人だからこその肩の力が抜けた自然体が、白濵氏の魅力の一つです。
ちなみに最初の採寸の時に、「土踏まずが自然にアーチを描いている。健康な足の証拠」と褒められて嬉しくなりました。また右足と左足で比べると、かなり左足の方が小さいそう。こういう自分の体を知ることができるのも、オーダーの楽しみです。
続いて靴下を脱いで、もう一度試着。素足で履くと、靴に密着した部分の肌が白くなります。これによりどこがどのくらいの強さで当たっているのか、さらに正確に把握できるのです。
パンツの裾の細さに対して靴が長く見えるので、爪先の捨て寸を削って、靴の見た目を短くすることになりました。服の仕立ても同様ですが、足の寸法だけ見るのではなく、体型や服とのバランスを見ながら、そして好みを伝えながら良い塩梅で作っていくのが、ビスポークの醍醐味です。
採寸内容が書き込まれた仮縫い。次回は革の仮縫いです。1回目の仮縫い、しかも樹脂性なのに、これはこれで履けそうなくらい良いフィット感だったのが驚きでした。
技術に裏打ちされた柔軟性
白濵氏にご自身の好む、いわゆるハウススタイルについて質問をしたところ、強いて言うならばエレガントなフレンチスタイルとのこと。しかし、そのテイストを押し付けるのではなく、あくまでもニュートラルに、お客様のご要望を第一に仕立てるのが、白濵さんの信条です。お客様に似合うテイスト、デザインの靴を引き出して提案してくれるだけでなく、仕様もお一人お一人のお好みに合わせて作ってくれます。それを実現するだけの技術があるので、自由にリクエストすることができます。それは、英国靴、イタリア靴、そしてフランス靴の仕立てを体当たりでマスターした白濵氏だからこそ出来ることです。
例えばソール(靴底)について。
ビスポークシューズ=レザーソールというイメージがあるかも知れません。確かに白濵氏の手作業で滑り止めの溝が施されたレザーソールは息を飲む美しさですが、お客様のご要望に応じてラバーソールや、スニーカーの様な軽くてクッション性に富むEVA素材のソールを選択することも可能です。インソールも、お客様のご要望に応じてスニーカーの様なクッション性のあるインソールにすることまでできます。どんなリクエストも実現できる技術と経験値があるからこそ、クラシックやハウススタイルに捉われず、とても柔軟。これも白濵氏の作る靴の魅力、強みです。
パティーヌ
白濵氏の真骨頂、「パティーヌ」。パティーヌと言えば某高級メゾンが頭に浮かぶ方も多いと思いますが、まさにフランスで発展した革の染色技術です。染料を重ねることで、独特の深みのあるグラデーションが生まれるのが特徴です。白濵さんは日本でビスポークシューズの仕立て修行をした後に、このパティーヌの技術を学ぶべく、わざわざフランスへ渡ったというのですから、その情熱のほどが知れます。
一方の私は、これまでもパティーヌを施された靴を見て、「美しい!」とは思いつつも、とても華やかで主張があるため、自分の着こなしには合わないと思い、これまで試したことはありませんでした。自分が履いているイメージが湧いてこなかったのです。
ですから、私の1足目を仕立てるにあたり白濵さんとの打ち合わせで「林さんの服にはパティーヌ、絶対似合うと思いますよ!パティーヌで行きましょう!」と言われた時はびっくり。一瞬どうやってパティーヌじゃない方向に持っていこうか考えてしまいました笑
しかし、白濵さんの説明を聞くうちに、これはパティーヌを理解していないが故の「食わず嫌い」であることがわかりました。「パティーヌ」というと、様々な色が使われていたり、パティーヌが映える様に明るい色使いだったりと、華やかで明るい靴をイメージしがちですが、落ち着いたダークカラーのパティーヌがちゃんと存在すること。
また、パティーヌの良さは単なる見た目の美しさだけではないこと。パティーヌを施した靴はとてもしなやかで足馴染みが良く、吸い付く様に履きやすいのだそうです。食わず嫌いだったパティーヌのイメージが覆されて、気がつくとむしろパティーヌをぜひ体験したくなっている自分がいました。そうして白濵さんに会うまで迷いに迷っていた私の1足目は、パティーヌを施したセミブローグにすんなり決まったのでした。
以下は白濵さんがパティーヌを施したビスポークシューズたち。「これがパティーヌ?」と思うくらい、とても控えめでエレガントです。
そんな白濵さんの靴ですが、4ヶ月に1回弊店で開催する受注会にてご注文頂けます。白濵さんと一緒に、皆様の人生にずっと寄り添ってくれる靴をご提案させて頂きますので、ぜひドレッシングラボに足をお運び下さいませ。既製靴の感覚からすると決して安いお買い物では無いですし、仕上がりまで1年も待ちますが、自分のスタイルにぴったりと合った、一生履けるベストフィッティングの靴が手に入ると考えると、本当に価値があるお買い物だと思います。将来「あの時オーダーしておいて良かった!」と、きっと思って頂けるでしょう。
オーダーの前に。下見・ご試着、大歓迎です。
オーダーのご予約の前に、サンプルをご覧になりませんか。出来る限り画像と文章で白濵氏が仕立てる靴の魅力をお伝えするべく努力はしておりますが、実物の持つ圧倒的なオーラや美しさは、とても伝えきれるものではありません。
弊店には常時白濵氏の仕立てた靴のサンプルが数足ございます。また、2回の仮縫い時に使用する透明仮縫いの靴と、革の仮縫い靴もございますので、フィッティングのイメージも持って頂きやすいと思います。足が入る方でしたら、ご試着も頂けます。
非常に価値のある靴とは言え、非常に高価な靴。最初のご来店でいきなりオーダーというのは、相当ハードルが高いと思います。「サンプルを見たところで、オーダーしてみないと実際のところは分からないでしょ」というご意見もあるかと思いますが、サンプルをご覧頂くことで、間違いなくオーダーしたくなることと思いますし、より具体的な仕上がりイメージを持ってオーダー頂けることと思います。弊店はお下見やご相談だけのご来店も大歓迎です(要予約)。ぜひお気軽にご連絡下さいませ。