Piacenza
(ピアチェンツァ)

Piacenzaピアチェンツァはイタリア生地産地のメッカ、ビエラ地区で最も長い歴史を誇るミルの一つです。創業は何と1733年。1623年には既に毛織物商を営んでいた記録が残っていますが、その100年程後に自分達で毛織物を織り始め今に至ります。脈々と家族経営を続け、現在は13代目のカルロ・ピアチェンツァ氏が同社を率いています。そのカルロ氏はビエラ工業会の会長でもあります。まさしくビエラ、そしてイタリア毛織物業を代表する企業です。そして少なくとも200年以上の歴史を持つ、且つ家族経営企業(創業者の子孫が現在の経営者)のみが加盟できる国際協会the Henokiens エノキアン・クラブの会員でもあります。余談ですが、エノキアン・クラブ加盟企業は世界でわずか47社、その内で日本からは和菓子の虎屋さんや大好きな赤福さんなど9社が名を連ねています。

ピアチェンツァと言えば、高級獣毛メーカーで右に出るものはありません。神々の繊維ビキューナ初め、カシミヤ、キャメル。 良い生地を織る為には、当然良い原料を押さえないといけません。ピアチェンツァは世界中の良い原料を手に入れるべく、地域・生産者・牧場の特定に注力し、何よりもその繊維のクオリティを左右する動物の生活環境を守る努力をしています。良い環境で育った動物からしか良い毛は生まれない事をピアチェンツァは理解しています。

ピアチェンツァのブランドネームをご覧下さい。何かの植物が描かれていますが、こちらはアザミの一種です。アザミの花はちくちくとトゲが立っているのが特徴です。この固すぎず柔らかすぎずの天然素材を乾燥させてセットしたアザミ起毛機に生地を通す事で起毛させるのです。この手法はチーゼルと呼ばれます。生地の起毛には金属の針を用いる事もありますが、このアザミの実を用いる事で、繊維の細い高級絨毛の生地を傷つける事無く、より繊細に起毛する事ができるのです。ピアチェンツァにとって欠かせないものであるアザミの花のシンボルマーク。デザインとしても素敵ですね。

ピアチェンツァにとって欠かせないものであるアザミの花のシンボルマーク

圧倒的なクオリティとバリエーション

弊店が特にピアチェンツァをお勧めするポイントは2点あります。
一つ目は、「圧倒的なクオリティ」。弊店ではピアチェンツァの極上カシミヤ生地をコート生地に留まらず、スーツ生地・ジャケット生地も取り扱っています。また、ご要望に応じてベイビーカシミヤ&ビキューナ、さらにはビキューナもご用意できます。それらは決して気軽にお求め頂けるお値段ではありませんが、他社を寄せ付け無いトップクオリティの原毛だけが使用されています。例えばカシミヤは内モンゴル産が世界最高のクオリティにあるという事は周知の事実ですが、ピアチェンツァのカシミヤはその内モンゴル産の中でも「カシミヤの中のカシミヤ」と言われ、毎年取引されるカシミヤにおいて最高値をつける「ALASHAN CASHMEREアラシャンカシミヤ」を使用しています。内モンゴル最西部アラシャン地区、内モンゴルでも最も厳しい環境に生息するカシミヤヤギから取れる原毛は、上等のカシミヤ の中でも最も細く白く、別格です。また神々の繊維ビキューナにしても、南米ペルーの団体と特別な合意を結び、入手困難なこの繊維の中でもトップクオリティを安定的に入手できる特権を得ています。ピアチェンツァの生地に使用されている原毛のクオリティを理解すると、段々とお買い得にさえ感じてきます。さすが高級獣毛を300年近く扱い続けているミル、世界で一番良い原毛はピアチェンツァに集まると言っても過言は無いでしょう。最上級のビキューナ・カシミヤ・キャメルを味わいたい方は、ピアチェンツァを選んで頂ければ間違いありません。

ピアチェンツァの圧倒的なバリエーション

二つ目は「圧倒的なバリエーション」です。通常高級素材になればなる程、生地メーカーはロスを恐れて生地のバリエーションを絞り込みます。その結果ベーシックな色柄の展開になってしまいます。しかしピアチェンツァは違います。カシミヤ素材だけでも「オーバーコート用」「春夏スーツ・ジャケット用」「秋冬スーツ・ジャケット用」と3冊のバンチブックがあります。そして通常のウールコレクションと同じ様に無地から柄物まで揃っています。ご希望とあらばカシミヤ素材だけで春夏のジャケットパンツ、冬のスーツ、オーバーコートと、1年中の全オーダーアイテムがあらゆるTPOに合わせてオーダーできてしまいます。「DUNESデューンズ」という全てベイビーキャメル100%の素材で、コート生地からジャケット生地、無地から柄まで網羅したバンチブックもピアチェンツァだからこその極めてユニークなコレクションです。「Cocoonコクーン」というベイビーカシミヤ80%・ビキューナ20%のスペシャルバンチがありますが、こちらも無地に加えてしっかりと柄物が用意されていて驚きました。ラグジュアリーな素材で、でも既製品に無い様なお好みの色柄でオーダーされたいという方に、ピアチェンツァの圧倒的なバリエーションはもってこいです。この懐の深さ、さすがの老舗です。

一度味わってしまうと戻れない比類なき心地良さ

ピアチェンツァの春夏用アラシャンカシミヤ

私自身、ザ・ドレッシング・ラボで初めて最初にオーダーしたカシミヤアイテムは、ピアチェンツァの春夏用アラシャンカシミヤ(カシミヤの中のカシミヤと言われる素材)を用いたスポーツジャケットでした。自身の経験から言っても間違い無くクオリティに対する生地のコストパフォーマンスが高いのは頭では理解できていましたが、一方で自分用に仕入れる生地としてはトップクラスに高価な生地でもあり、躊躇しました。しかし、やはり自身が着なければ魅力をお伝えできないと思い切って仕立てたのですが、その決断は間違っていませんでした。

極上のカシミヤの軽さ柔らかさ、そして暑い時には涼しく寒い時には暖かい独特の心地良さは、着て過ごしてみないと分からないものですし、その心地良さを一度味わってしまうともう戻れません。カシミヤと言えばローマ皇帝シーザー(ユリウス・カエサル)がカシミヤのスカーフを愛用していたと言う逸話が残っていますが、紀元前から現在に至るまでなぜこの素材が珍重されてきたのか、自身も身につけて理解出来る様になりました。少し疲れた時もカシミヤのジャケットを身につける事で心も体も軽やかになり、頑張れます。ザ・ドレッシング・ラボにてぜひピアチェンツァの極上素材でオーダーしてみて下さい。

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