鍛えられた体にフィットしラインを引き立てる「バンドーカラーポロシャツ」
お客様にご注文頂いたポロシャツの仕上がりをご紹介させて頂きます。バンドカラーに、鍛えたお体を引き立てるサイジング、ユニークなこだわりが満載です。理想のポロシャツをお探しの方の、参考になりましたら幸いです。
ご注文に至った経緯
アメリカでお仕事をされていたS様。数年ぶりに日本に帰国されたところ、日本の夏に着られる、カジュアルだけどそこそこフォーマルに見える服が無い事に気付かれました。
ビジネスカジュアルに使える、夏のトップスの筆頭はポロシャツでしたが、ワークアウト(筋トレ)によって鍛えられたお体にフィットするポロシャツが既製では見つからないこと、またイメージされた襟(バンドカラー)のポロシャツが無いこと、からインターネットでリサーチして弊店を見つけて頂きました。
生地
お選び頂いたのは、弊店のポロシャツの代表的な素材。伊カチョッポリ社のコットン100%鹿の子です。ブラックやネイビー、ブラウンなどの定番色から、ビビッドなレッドやターコイズブルーなど、全14色のバリエーション。肌馴染みがとても良く、お洗濯を重ねるにつれて自然に風合いが変化していくのも魅力的。今回はその中からグリーンをお選び頂きました。
コットン100%のニットというと、心配なのはお洗濯による縮み。せっかくオーダーメイドでお仕立てしても、お洗濯してサイズが大きく変化してしまっては、意味がありません。
弊店では洗い縮みを回避するために、縫製前に「水通し」というプロセスを挟みます。イタリアから生地が届いたら、まず弊店の方で洗って干して縮ませてから、仕立て工場に送ります。既に生地はほぼ縮み切っているため、完成後にお洗濯をされた際も、寸法変化が最小限に抑えらるという訳です。
仕上がり
低めのバンドカラーは、ヘンリーネックTシャツの様なリラックス感があります。前立て(ボタンとボタンホールがあるパーツ)は細めにして、すっきりと。
唯一既製で気に入っていらしたのが、以前に海外で購入された、某フランスメーカーのバンドカラーのポロシャツで、今回は素材感もデザインも、そのお気に入りに近づける方向でお選び頂きました。
ボタンはグリーンの生地と相性の良い、天然の茶蝶貝。極めてシンプルな作りながら、上質の生地とボタン、そして丁寧な縫製が、ポロシャツのグレード感を高めてくれています。
ご試着
S様にご着用頂きました。お好みで着丈や袖丈をすっきり目に合わさせて頂きましたが、この日お召しの細身のコットンパンツとも、とてもバランスが良いです。
採寸もいつもとは一味違いました。通常は肩幅やバスト、ウエスト、ヒップのヌード寸(お体の実際の寸法)をメジャーでお測りして、そのヌード寸にお好みに合わせた「ゆとり」を入れた寸法でお仕立てします。
しかし、S様は鍛えたお体にぴったりとした寸法で、体のラインを引き立てつつ、すっきりとしたシルエットでお召しになりたいということでした。そのために、肩幅とバスト、そして袖口幅を、ヌード寸よりも小さい寸法でお仕立てしました。これは、鹿の子という伸びる素材だからこそできるフィッティングです。
「オーダーメイド=お客様がお求めのサイズにお仕立てする」ですが、そのお求めのフィット感がゆったり目なのか、ジャストフィットなのか、ぴったり目なのかによって、「ちょうど良い寸法」、そして出来上がる服のシルエットも変わって参ります。その辺りがオーダーメイドの難しさでもあり、面白さでもあります。
胸や肩のフィット感は、サイズの異なるサンプルのポロシャツを着比べて頂きつつ、サイズ表ともにらめっこしながら、対話を重ねてサイズを決めていきました。結果、S様がイメージされた通りの、タイト過ぎずルーズ過ぎずの、理想のフィット感に仕上がりました。
こだわりのバンドカラー、スポーティーでさわやかなS様に、とてもお似合いです。お洗濯をして頂くと、さらに馴染んでくることでしょう。
半袖口の太さもお好みに合わせて調整。半袖のポロシャツやシャツは、袖丈と袖口幅が見え方の肝となります。
S様の場合、腕のたくましさを強調する目的と、すっきりと見せる目的で、あえて腕の太さよりも袖口を細くお仕立てしました。また袖丈は力こぶの真上くらいに。腕が入ると袖口は少し伸ばされた状態で着ることになりますが、ぴたっとフィットしていて、また二の腕もたくましく見えて、とても良い見え方に仕上がりました。
左袖には、さりげなく生地と同系色でイニシャルを刺繍させて頂きました。
仕上がりをとてもお気に召して頂き、この日このままお召しになって次のお仕事に行かれました。その後お具合をお伺いしたところ、ご家族や周りの方からとても評判が良く、ご愛用下さっているとの事です。S様、この度は撮影ならびにインタビューにご協力下さり、誠にありがとうございました。