RYO IKEDA ビスポークシャツ後編「ドレスシャツ」
シャツの仕立て職人、池田亮さんにお願いしたビスポークシャツ。後編は王道のドレスシャツの仮縫いの様子をご紹介させていただきます。ぜひご覧ください。
前編ではチョアジャケットのフィッティングをご紹介させていただきました。後編はドレスシャツの仮縫いです。
ビスポークのドレスシャツは、こちらの仮縫いで2着目となります。この日ブラウンのスーツの中に着ている生成りのシャツが、2022年12月に池田さんに個人的にお願いした1着目のシャツで、非常に気に入り色違いが欲しいと、チョアジャケットのご相談の際に一緒にお願いしました。
前回と同じ仕様で何の不満もないのですが、さすが池田さん。1年半の間にドレスシャツの仕立てをアップデートされていました。
前回のシャツは非常に繊細なミシンステッチで仕立てられていましたが、進化版はそこに手縫いを取り入れて、柔らかさが求められるところは手縫い、強度の求められるところはミシン縫いに。さらにアームホールと袖の形状も変更されていました。
素晴らしい仕立てをされながら、現状に満足せずさらに良いと思える仕立て方にトライしていく、進化を続ける姿勢を見させてもらいました。
と、前置きが長くなりましたが、ドレスシャツの仮縫いに戻ります。前回の寸法をベースに仮縫いを組んでいただいているので、体型補正はばっちり。基本的な丈の再確認と、変更になった肩とアームホール周りを見て行きます。
腕を前に上げて、袖のゆとりが十分あるか確認。
少し痩せたのでウエストのゆとりが前回より増え、池田さんからウエストを詰めても良いのではとのご提案をいただきました。あまり詰め過ぎずに、ゆとりを多めに残していただくようご相談。
以前は体にぴったりと沿うシルエットが好みでしたが、今は体と適度な距離があって、タックインした時にゆとりがフワッと膨らむようなシルエットに落ち着きました。
どのビスポークもそうですが、フィッティングの合間、職人の方との会話もビスポークの楽しみの一つです。
着丈を確認。お尻の下までくるクラシックな長さ。
バストのゆとりを削っていただくことに。前脇にピンを打っていただいています。
左脇も同じく。こうして見ると、前身頃がとても綺麗に体に沿っているのが分かります。肩傾斜や反屈身が合っている証拠。
アームホールは許す限りフィットしているのが好みです。アームホールをさらに小さくできるかご相談。まだ余地があったので攻めていただくことに。このようにお話をしながら一歩一歩理想のシャツに近づいていくプロセスが、ビスポークシャツの楽しさです。
肩、背中、袖口は弊店らしいギャザー仕様。ドレッシングラボのMTMも基本はギャザー仕様をご提案しています。
MTMのシャツのギャザーも素晴らしいですが、端から端まで美しくギャザーが入れられるのは、ビスポークだからこそ。仮縫いでもこの表情ですが、本縫いはさらに美しいギャザーとなります。
襟は前回お願いした襟が気に入ったので同じ形に。いわゆるワイドスプレッドカラーとレギュラーカラーの中間のような襟で、タイを締めた時の収まりが素晴らしいのです。
フィッティングは以上。仮縫いでこの精度なら、良い仕上がりは約束されたようなものです。11月末の完成を予定しておりますので、その際には池田さんのドレスシャツの魅力をたっぷりとご紹介させていただきます。
ビスポークのドレスシャツの仮縫いの様子をご紹介させていただきました。1着目でも大満足のところ、1着目をステップにしてさらに完成度を高めていけるのは、ビスポークならではです。また、まだまだ高みを目指して歩みを止めない池田さんの姿勢にも刺激をいただきました。
池田さんには私のお願いしたチョアジャケットとドレスシャツの納品とあわせて、12月にトランクショーにお越しいただけることになりました!
ドレスシャツ、カジュアルシャツに加えて、池田さんの定番アイテムであるファティーグジャケット、サファリジャケットがご注文いただけます。もちろん弊店オリジナルのチョアジャケットもご注文いただけます。
また私のように「こんなシャツがオーダーできるかな」「こんな軽快なジャケットが欲しいんだけど、作れるかな」という方もぜひご相談ください。ドレスだけでなく、カジュアルやワーク、ミリタリーにも精通した池田さん。オンオフ兼用できるようなアイテムをビスポークで依頼するのはいかがでしょうか。まずはお気軽にお問い合わせをいただけますと幸いです。