2021SSリコメンドファブリックvol.1 Caccioppoli 「Suits」「Jackets」
2021年最初のリコメンドファブリック。イタリアはカチョッポリより春夏の新作生地が届きました。ボリュームがあるので、2,3回に分けてご紹介しようと思います。
本日ご紹介するのは、「Suits」と「Jackets」。その名の通り、スーツ生地とジャケット生地ですが、マーチャントならではの、トレンド性が高く一捻りも二捻りもあるセレクトが魅力です。2020SSからの継続コレクションに加えて、今年イチオシの生地が仲間入りしました。早速ご覧下さいませ。
- Suits
- ウールシルクリネン・ソラーロ
- フレスコ・グレンチェック
- フレスコ・ワイドストライプ
- Jackets
- ワイドストライプ・ブレザー
- ウールコットン・ストライプ・シアサッカー
- ウール・シルク・リネン・ポリアミド
"Suits"
「ウールシルクリネン・ソラーロ」
"Suits"のトップバッターは「ソラーロ」Solaro。ソラーロと言えばイタリア生地のイメージが強いですが、元祖は英国生まれ。イギリス人が植民地でヨーロッパには無い強い日差しから体を守る為に考案された生地で、表(経糸)がカーキ(明るい色)、裏(緯糸)がレッド(濃い色)という組み合わせがオリジナル。表が明るいことで太陽光線を反射し、裏が暗いことで肌を守るという原理から、英国では「サンクロス Sun Cloth」や「サンプルーフ Sunproof」と呼ばれました。現在はカーキ×レッド以外にも、経糸と緯糸の組み合わせ違いで様々なバリエーションのソラーロが織られており、例えばネイビーベースだと「ネイビー・ソラーロ」、茶色がベースだと「ブラウン・ソラーロ」などと呼びます。ルーツからしてもお分かりかと思いますが、太陽光の下で映えるまさに春夏らしい生地です。
今シーズンのカチョッポリのソラーロがユニークなのは、その素材。現在主流になっているソラーロは、ウール100%やウール×シルク。光沢がありエレガントな印象ですが、かなり華やかなため、どちらかというと玄人好みで、普段使いがやや難しい側面があります。一方、こちらのソラーロはウールにシルクとリネンをミックスした3者混。いわゆるサマーツィード調の素材にすることで、従来のソラーロよりもカジュアル感があります。光沢も抑えめで、リネン混ということで着ているうちに入る柔らかいシワもまた、こなれた感じに見せてくれるでしょう。スーツで着たり、単品使いをしたりと、着回し力も抜群。現代の着用シーンにマッチする、とてもセンスの良い今時のソラーロです。
「フレスコ・グレンチェック」
強めに撚った糸をさらに2本撚り合わせて平織りにしたフレスコ(ポーラとも呼ばれます)は、通気性が高く、シワになり難いのが特徴です。同じ平織りでもプレーンな表情のトロピカルとくらべて、ざっくりとした質感も魅力。カチョッポリのフレスコは、がちがちのフレスコと違い、とてもしなやかで軽快です。
オーソドックスなグレンチェックですが、色使いが特徴的。ここ数年は生地トレンドの傾向として、コントラストを抑えた色柄が続いている印象でしたが、こちらの生地はコントラストが効いていて、元気な印象がとても新鮮。オーバーペーン(ベースのチェックの上に重ねて入った、アクセントとなるウィンドウペーン)に今年のキーカラーであるレッド(2枚目のブルーベース)やグリーン(3枚目のネイビーベース)を使っているのも、さりげなく素敵な演出。
「フレスコ・ワイドストライプ」
こちらもフレスコ。これはとても今年らしい生地です。ずっと柄物はチェックの独壇場でしたが、ここに来てストライプ、特に広いピッチのストライプがトレンドとして注目を集めています。
一般的にストライプは、ストライプとストライプの間が広くなればなるほど、またストライプの線が太くなればなるほど、カジュアルな印象、遊び感の強い印象となります。その点では、特に上の3種などは、かなり砕けた印象で、セットアップとして、ジャケット単品、パンツ単品として着てもOKです。そんな訳でドレッシングラボ の新作「イージースポーツジャケット」と「イージードローストリングパンツ」のセットアップサンプルも、こちらの生地で仕立て中です。2月上旬には仕上がりますので、乞うご期待!
続いてジャケットコレクションをご紹介します。
"Jackets"
「ワイドストライプ・ブレザー」
可愛いワイドストライプのネイビーブレザー生地。個人的にストライプのジャケット生地はファッショナブル過ぎる印象があり、敬遠してきたのですが、このストライプはクラシックさや可愛げがあり、一目で好きになりました。
ビスコースにコットンとポリアミドがミックスされて、古着のジャケットにありそうな、マットでざっくりした質感。さらりとしていて、ひんやりと通気性があり、とても肌馴染みが良いです。裏地無しで仕立てて、Tシャツの上から羽織ったら気持ちよさそうです。
懐かしい感じのストライプは、スクールジャケットの様な趣があります。そんなベタ褒めのストライプ生地、オーダーしない訳にはいきません。人生初ストライプ柄のジャケットを、新作のイージースポーツジャケット、しかもダブルブレテッドで仕立て中です。ちなみにボタンは白蝶貝やシルバーメタルと非常に迷ったのですが、黒蝶貝でまとめました。皆様にもぜひこの機会に、ストライプのジャケットをお試し頂ければ幸いです。
「ウールコットン・ストライプ・シアサッカー」
まさかここまでストライプを押してくるとは思いませんでした。昨今非常に人気の高いダークカラーのシアサッカー。そこにワイドピッチのストライプという、人気者どうしの組み合わせ。ストライプの色は、お約束のブルーに、やはり今季のキーカラー、グリーンとレッド。
素材にも注目です。シアサッカーというと、もともとはコットン。しかし最近はウール・シアサッカーが登場し、弊店でも2020SSに登場したDRAPERSのウール・シアサッカーが好評を頂いているのですが、こちらは何とウール60%コットン40%のシアサッカー。この組み合わせのシアサッカーを見るのは、私は初めてです。ウールのストレッチ性と、コットンの優しい質感を備えたシアサッカー。ドラッパーズのウール・シアサッカーはボリュームがあり、3シーズン着られるのが特徴ですが、カチョッポリのウールコットンシアサッカーはmあたり220gと、とても軽快ですので、暑い季節にもうってつけ。ジャケット単品はもちろん、上下で仕立てるのも大いにオススメです。まだちょっと気が早いですが、パンツは夏向けにショーツにするのもいいかも知れませんね!
「ウール・シルク・リネン・ポリアミド」
最後はカチョッポリらしい素晴らしいチェック生地のご紹介。夏のジャケット生地定番のウール・シルク・リネンに、ネップ感を出す為のポリアミドがミックスされて、かすりの様な表情が特徴的。色使いも相まって、オリエンタルなムードを感じます。どの色合わせも本当に美しい!こちらのシリーズでもサンプルのジャケットを仕立て中です。
カチョッポリのお家芸、オススメのパンツの生地が右下にセットされているのですが、この組み合わせも、そのままオーダーしたくなるほど素敵です。次回のリコメンドファブリックでもご紹介しますが、カチョッポリはデニム生地のパンツを押しています。
カチョッポリの2021SSコレクション、いかがでしょうか。次回もカチョッポリの新作をご紹介しますので、お楽しみに。カチョッポリの生地についてお問い合わせがございましたらContactフォームから、「実物の生地を見たい」などご来店のご予約はReservationフォームから、お気軽にご連絡下さいませ。どうぞ宜しくお願い致します。