2023SSリコメンドファブリックvol.3 DRAPERS後編「PORTOFINO LINEN」「BLAZON」

Apr 6th,2023 Fabric

2023春夏のリコメンドファブリック第３弾はVol.2の前編に続き、ドラッパーズ。後編は「ポルトフィーノ・リネン」と「ブラゾン」です。ぜひご覧下さいませ。

「PORTOFINO LINEN（ポルトフィーノ・リネン）」

ドラッパーズのリネンだけで構成されたバンチブック「ポルトフィーノ・リネン」がリニューアルしました。

「ポルトフィーノ」とは、北イタリアはリグーリア州（州都はジェノバ）にある、小さな港町のこと。カラフルでレトロな街並みと港の風景は、ディズニーシーのモデルになったそうですが、素晴らしい避暑地として、セレブが集まることでも知られています。「ポルトフィーノ・リネン」は、そんな浮世離れした美しい避暑地からドラッパーズがインスピレーションを得て作り上げた、リネン生地のコレクションです。クラシックにしてエレガントな、リゾートスタイルが目に浮かびます。

ポルトフィーノ・リネンはいくつかのクオリティで構成されています。一つずつ見ていきましょう。

「PLAIN（プレーン）」260g

とっても軽やかな平織の無地のシリーズ。ダークトーンからビビッドな原色まで揃っていて、無地の軽快なリネンジャケット生地を探すなら、まずここからではないでしょうか。裏地も芯地も無いシャツジャケットを仕立てて、カットソーやポロシャツの上からさらっと羽織りたいです。あえて水洗いしても良さそう。シワシワ、クタクタにして着たい生地です。

「BLAZERS（ブレザーズ）」

ブレザー向けの生地は3種類のクオリティがあります。一つ目は「ドリル」。350gとボリュームのある綾織で、デニムライクな風合いが魅力です。

二つ目は「ヘリンボーン」。ドリルと比べると軽めの280g。しなやかさと、ヘリンボーンならではの陰影がそそられます。

そして450gとヘビーな「3プライホップサック」。リネン糸を3本捻りにして、ざっくりとメッシュ状に織られています。「モンテカルロ」などホップサックを得意とするドラッパーズらしい提案です。

3クオリティ共に比較的厚みがありますので、真夏だけは薄手のジャケットに任せるとして、春先から秋口にかけて3シーズン活躍するリネンブレザーを仕立てるのに、いかがでしょうか。あえてメタルボタンを付けても負けない様なボリュームがあります。なんとなくダブル6つボタンで、腰ポケットはアウトポケットのジャケットが頭に浮かびます。これまた経年変化を楽しめる、雰囲気抜群のジャケットに仕上がりそうです。

DRILL（ドリル）

HERRINGBONE（ヘリンボーン）

3-ply hopsack（3プライホップサック）

「IRISH LINEN（アイリッシュリネン）」360g

ラストを飾るのは、ザ・クラシックなアイリッシュリネン。こちらだけはスーツ向けのリネン生地になります。これまでご紹介してきたジャケット向けのリネンがソフトな風合いであったのに対し、こちらは硬いと表現して良いくらいコシがあります。それによって、力のかかるパンツの仕立てにも対応できる耐久性があります。また、着れば着るほど柔らかく、風合いが増していくのも、アイリッシュリネンの特徴です。

ドラッパーズならではのカラーバリエーションで、リネンスーツをお考えの方には、ぜひお勧めしたい生地の一つです。

「BLAZON（ブラゾン）」

ブラゾンは厳選されたSuper150'sのメリノウールを100%用いた、特別なスーツ生地のコレクションです。スーパー150'sの原毛というと、カシミヤとほぼほぼ同じくらいの細さです。それゆえのドレープ感や、肌触りの良さ、軽い着心地は、唯一無二です。

一方で細番手ゆえに、シワになりやすいことや、耐久性に対するご心配があると思いますが、ドラッパーズはその点抜かりがありません。ブラゾンは経緯共に糸を2本撚り合わせた双糸で織られています。それにより、アイロンがよく効いて構築的に仕立て上がると共に、シワの復旧性が高く、細番手ながらデイリーに安心して着られる生地に仕上がっています。

柄と色のバリエーションもばっちり。英国調のクラシックな柄を、ドラッパーズのフィルターを通して落とし込んだ、地味過ぎず派手過ぎずの、安心して選べるバリエーションになっています。チェックやストライプの、差し色センスは抜群です。

定番のヘリンボーンやグレンチェックは何着も欲しくなりますが、ワイドピッチのストライプ柄も気になるこの頃です。目移りして困ること必至です。全部はご紹介できないので、個人的に気になった柄をご紹介させて頂きます。

チェック