YUKI SHIRAHAMA BOTTIER ビスポークシューズのレビュー

hayashi
店主
林 倫広

YUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークシューズが完成しました。私が実際に見て履いて感じたことを、できるだけ素直に書いてみました。ぜひご覧下さいませ。

YUKI SHIRAHAMA BOTTIERの白濵結城氏に仕立てを依頼したビスポークシューズがとうとう仕上がりました。もう既に何回も履いていて、店頭でご覧頂いたお客様も多くいらっしゃると思いますが、改めて仕上がりの感想を書いて参ります。

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選んだカラーは、パティーヌのダークブラウン。最初からこげ茶の革を用いるのでは無く、明るめの茶の革からまずは色を抜いて、仕上がりまでの間に4回ほど色を重ねて深い茶色に仕上げてくれています。均一なこげ茶と違い、極めて濃い茶色ながら透明感があり、光が革の中まで届いて微妙な濃淡が浮き上がってくる様な印象。見ても見ても見飽きません。白濵さんのお勧め通り、YUKI SHIRAHAMA BOTTIERならではのパティーヌに挑戦して良かったと、心から思いました。

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このパティーヌですが、機能面でも大きなメリットが。パティーヌによって革が柔らかくなり返りが良いのはもちろんのこと、上から色を塗っているだけのパティーヌと違い、深く染料が浸透しているため、長年愛用しても簡単に色が抜けないとのこと。また従来のパティーヌのシューズは染みになりやすいことから雨や水濡れに要注意と言われますが、白濵さんの施すパティーヌは水を弾くため、雨の日でも履いてOKとのこと。こんなに美しい靴、さすがに進んで試す勇気はありませんが(笑)、相棒として日常使いをしたい私にとってはとても嬉しい情報でした。

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トウは丸すぎず尖りすぎず、ロングノーズでもショートノーズでも無く、本当に良い塩梅。何とも好ましいフォルム。トウキャップのバランスも申し分無し。

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ハンドソーンウェルテッド。均一で細かい出し縫い、耐久性と美しさを共に満たす機能美。

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繊細なステッチにブローギング(穴飾り)、閂(かんぬき)、革のキメ。良さが凝縮されています。

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足の厚みを測った上でぎりぎりのゆとり分量を計算して仕立てられた靴は、ヴァンプ部(紐を結ぶ部分より前の先端部分)とアイレット部(紐を結ぶ足の甲の部分)のメリハリが効いています。アイレット部分がしっかりと足をホールドしてくれるため足が前に突っ込まず、ぎりぎりのゆとりでも指が圧迫されて痛くなるなどの心配が無いのです。

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くるぶしが低く当たりやすいので、深く繰り取ってもらいました。自分の足ならではの形。

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アウトサイドカウンター(ヒールカーブの外側につける補強兼装飾のパーツ)をあえてなくしたワンピースのヒール。服にせよ靴にせよ、上質なものは削ぎ落とした方が上質感が際立つと言いますが、このヒールもまさにその好例。

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深いカーブを描く土踏まず。内側の曲線にも惚れ惚れ。

いよいよ履いてみます!20211103_yuki_shirahama_bottier_bespoke_shoes_30.jpg20211103_yuki_shirahama_bottier_bespoke_shoes_29.jpg

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ビスポークスーツに合わせてみました。

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すごいオーラ!そして気持ちが良い!爪先部分は程よいゆとりがありつつ、甲はぴったりとフィットしています。すごく安心感のあるホールド感ながら、不要な締め付けがありません。

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私は甲の骨が突起しており、履き慣れた靴でも夕方くらいになるとこの部分がピンポイントで当たってジンジンしてきて紐を緩めたくなりますが、YUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークシューズではその部分が立体的に考慮されていて、長時間着用した際の足の痺れが無くなりました。

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ちょっと持ち上げられる土踏まずのフィット感が気持ち良し。シューズの土踏まずのアーチが気持ちよく足の曲線に沿ってくれます。美しいだけで無く、筋肉の変わりに土踏まずを支えてくれるため長時間履いても疲れないのです。

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ハンドソーンウェルテッドならではの見え方が、この「低重心」。一般的なグッドイヤーウェルテッドでは、アッパーとウェルトのつなぎ目が丸くなりますが、ハンドソーンウェルテッドでは、アッパーの底面ぎりぎりをウェルトに縫い付けるため、アッパーとウェルトの隙間が無く、アッパーがしっかりとソールに乗った見え方になります。

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履き始めから歩くと柔らかい履きジワが入りますが、足をフラットに戻すと履きジワもスーッと波が引く様に消えます。とにかく柔らかくて返りが良い。こんなに柔らかくて上質な革の靴は初体験です。YUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークシューズは、仕立てと革のグレードが共に最高なので、悪いわけがありません。しかし今まで履いてきた靴とレベルが違い過ぎて、良い意味で評価ができません。同じ靴の形をしていますが、別物と言って良いでしょう。

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スーツと同じく、靴も全体のバランスが大切。仮縫いの際に私のスーツのスタイルやパンツの裾の細さとのバランスを確認した上で見え方を決めてもらいました。個人的には足元を大きく見せすぎることを好まないのですが、本当に良いサイズバランスに落とし込んで下さいました。トータルコーディネートにちゃんと馴染む靴に仕上がりました。

YUKI SHIRAHAMA BOTTIERにお願いした初のビスポークシューズは、白濵氏の宣言通り、1足目から大満足の仕上がりとなりました。

<良かったこと>
・とにかく美しい
・履き心地が良い
・疲れない
・履いている時の満足感がすごい
・最初から足に馴染んでいる
・トータルコーディネートにぴったりのバランス

<困ったこと>
・大切にし過ぎて、つい履き惜しみしてしまう
・上質な仕立ての服に合わせないと、釣り合いが取れない
・履いている時もついつい靴のことが気になってしまう

この撮影後も何回も履いていますが、革の良さに加えて木型から削り出したシューツリーで休ませることで、綺麗に履きジワが消え常に新品の様なコンディションです。

私はO脚なこともあり、足の外側に重心がかかり易く、それによってくるぶしが刺さったり、ヒールも外側が減っていくのですが、YUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークシューズは違います。白濵氏の計算で足を地面に下ろした際に重心が真ん中に来る様計算されているので、足の軸がしっかりと地面に着いて、重心がスムーズに移動して、歩き方を意識しなくてもまっすぐに足が前に出る感覚があります。良く計算された靴は歩き方から姿勢まで良くしてくれるのだと、凄過ぎて怖くなったYUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークシューズ体験でした。

今まで履いてきたドレスシューズたちも大切な相棒ですが、同じドレスシューズでもレベルが違い過ぎて「別物」のYUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークシューズ。これから年月をかけて1足ずつ増やしていきたいと心に決めております。靴1足のお値段として考えると尻込みしそうですが、履いてしまうと本当に値打ちがあると実感できます。これからの人生、5足のちょっと合わない靴よりも、1足の本当に合う靴だなと思いました。

YUKI SHIRAHAMA BOTTIERについてのご質問はContactフォームから、オーダーやお下見のご予約はReservationフォームから、ご連絡頂けますでしょうか。皆様のご連絡を心よりお待ちしております。どうぞ宜しくお願い致します。

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TDL 「Ladies Line」レディースのオーダーメイド服のご紹介 Easy Setup お客様のご注文品のご紹介
Posted by Tomohiro Hayashi
林 倫広

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