The Dressing Lab. "Bespoke Line"

ドレッシングラボの最上級ライン、「ビスポーク・ライン」をご紹介します。

ビスポークはオーダーメイドの
原点にして最高峰
大切な場面で袖を通したい特別な1着を

服にせよ靴にせよ、オーダーメイドの頂点に君臨する「ビスポーク」。私自身、もともとこの洋服の道に入ったのは、ビスポークの仕立て職人に憧れてのことでした。仕立て職人に弟子入りして寝る間を惜しんでの修行は、思い描いたのとは全く違う苦しい時間でしたが、自分の結婚式用に先輩に型紙を引いてもらい自身で仕立てたスーツ(徹夜をして結婚式当日の朝に滑り込みで完成しました笑)は、今でも大切な場面で袖を通す特別な1着です。

そんな思い入れのあるビスポーク、皆様も間違いなく良いだろうというのは共通認識かと思いますが、一方で「良いのは分かるけど、高いし、日常使いにはちょっと贅沢じゃない?」「体に合った注文服は欲しいけど、ビスポークまでしなくて良いかも。MTMで十分」「ビスポークは馴染みが無くて、何となく敷居が高く感じる」、この様なご意見も本音としてあると思います。

せっかくドレッシングラボで扱うのですから、もともとハイクオリティのMTMとはっきり差別化できるくらいの高いクオリティでありながら、価格でも納期でも、そしてオーダーの雰囲気でも、カジュアルにビスポークが体験頂けるように。そしてより多くの方にビスポークを楽しんで頂いてその魅力を感じて頂きたい、という思いからドレッシングラボのビスポークラインをスタート致しました。

ビスポーク スーツ

TDL Bespoke Lineの特徴

何でもできるビスポークだからこその、
あえてのハウススタイル

ビスポークですからお客様のご要望に合わせて、ある意味なんでもできます。しかしあえてハウススタイルを設定しました。100店あれば100通りのビスポークがある中で弊店を選んで頂くのですから、一番良い仕上がりをお約束できる、思い切り弊店らしいスタイルのビスポークをご提案して参ります。

TDL Bespoke Lineのディテール

まずはビスポークラインの核を成す、ジャケットとパンツ(スーツ)を例にハウススタイルのテイストをご説明して参ります。

弊店MTMもファクトリーメイドを超越した軽さ、柔らかさ、そして丸みを帯びたフォルムを具現化していますが、ビスポークラインはさらにそのフォルムを昇華しています。見所は沢山あるのでご紹介ポイントに迷いますが、主だったポイントを一部ご紹介します。

ビスポーク ジャケット

滑らかにカーブを描いたゴージライン
ビスポーク ジャケット ゴージライン1
ビスポーク ジャケット ゴージライン2

ビスポークだからこその、理想のゴージライン(上襟と下襟のつなぎ目の線)を具現化することができました。このカーブはビスポークならではです。高い位置からスタートしてぐっと深いカーブを描く、着た時にショルダーラインと平行になるゴージラインが、弊店のご提案です。クラシックでありつつ洗練された現代の空気感もある、絶妙なゴージラインになっていると思います。ラペルは広め、上襟も大きめで、堂々とした雰囲気です。肩から首へと襟が吸い付く様に上がってくる「のぼり」は、さすがのビスポーククオリティです。アイロンによって立体的に曲げられた上襟のカーブも見事です。

ナチュラルであえて大きめのショルダーライン
ビスポークジャケットのショルダーライン

ショルダーラインにもこだわりました。ドレッシングラボのジャケットは全てノーパッドでナチュラルなショルダーラインをご提案しています。ビスポークラインもその雰囲気を踏襲しつつ、ファクトリーメイドでは成しえなかった作りにしました。

ファクトリーメイドのMTMよりもあえて1cmから2cm肩幅を大きめに仕立てます。これにより、イタリアはナポリやフィレンツェの仕立てに見られる様な、リラックス感のある、こなれた雰囲気を醸し出します。

肩幅をただ大きくした訳ではありません。通常肩幅を大きくするとその分アームホールが体から離れてしまい、動きにくいジャケットとなってしまいます。しかしビスポークラインではそのご心配はご無用です。肩幅を大きくしつつ、アームホールを脇の下に切り込む様にカーブさせて仕立てることで、肩幅は大きく、でもアームホールはフィットしているというビスポークならではのフィッティングを実現しています。個人的には肩の袖の付け根から脇の下に向かってカーブした縫い目と、たっぷりと運動量の入った雨振り袖が、ビスポークならではの見どころだと思います。

裾まで貫通したフロントダーツ
ビスポークジャケットのフロントダーツ1
ビスポークジャケットのフロントダーツ2

ビスポークならではの味付けとして、クラシックな裾まで貫通したダーツを採用しました。フロントダーツとは、ジャケットの腰位置に入る縫い目で、フロントのシェイプを形成する役割があります。このフロントダーツ、弊店のMTM含め通常は腰ポケットの上で止まるのですが、あえて裾まで貫通させているのが特徴です。これは、クラシックな2枚裁ちのジャケットにおいて、ヒップ回りをフィットさせる役割がありますが、それ以上に古き良きイタリアの仕立てを感じさせる雰囲気に私は惹かれます。

ポケットのフラップはお好みですが、この場合フラップ無しのスタイルにするのが、クラシックなスタイルです。ボタンホールやステッチ、閂(かんぬき)など、全て手縫い。この温かみのある味と存在感は手縫いでしか出せません。こちらのスーツに関しては、あえてステッチを際立たせる方向でリクエストしたので、ステッチが際立っており、触るとステッチ一つ一つの凹凸を感じられます。もちろんもっとあっさりとステッチを目立たない様にしたり、逆にさらにステッチを強調することもできます。この辺りの自分好みに味付けできるのが、ビスポーク・ラインの醍醐味の一つです。

あえて逃げ気味のフロントカット
ビスポークジャケットのフロントカット

ジャケットの前身頃はまっすぐに落ちているのが基本ですが、あまりに整いすぎていると、固く重い印象になりがちです。ドレッシングラボのビスポークラインでは、深く丸みを帯びたフロントカットを、前身頃を伸ばすことで少し逃げ気味(開き気味)にすることで、真面目過ぎない、ほんの少しだけ砕けた印象を持たせています。

大きめで柔らかいショルダーライン、立体的な胸からウェストシェイプへと続くドレープ、そして逃げ気味のフロントカット。これらの相乗効果で、上質感がありつつ、こなれた感じのある軽快なビスポークジャケットに仕上がっています。

ビスポーク パンツ

ビスポーク パンツ1
ビスポーク パンツ2

ビスポークのパンツというとハイウェストや深いタックなど、クラシックテイストが強いパンツをイメージされる方もいらっしゃると思いますが、弊店のビスポークパンツは、ビスポークならではのディテールを細部に盛り込みつつ、やりすぎないパンツに仕上げています。浅からず、深からずの股上。適度な分量のタック。しっかりと骨盤にフィットするカーブした腰帯。引き上がりつつ、全く食い込みのないパーフェクトなヒップetc.一見主張の少ないビジュアルながら、履いて頂くと、これぞビスポークのフィット感と感動頂けると思います。

ハウススタイルは上記の形ですが、ビスポークですので、ご要望に応じてハイバックやグルカパンツ、はたまたカーゴパンツなども喜んでお受けします。既製服やMTMで気に入ったデザインのパンツが無いという方はぜひビスポークパンツをご検討下さいませ。

ビスポーク パンツ サイドアジャスター
私は今回、2タック(アウトタック)、前はファスナーでは無くボタンフロント、ベルトループを無くしてサイドアジャスター(脇尾錠)を付けましたが、この辺りはお好みでいかようにもアレンジ可能です。ビスポークのパンツは本当に柔らかく軽いです。そしてアイロンワークによって足の形に沿うS字カーブを描く様に仕立てられるので、履き心地はもちろん、見た目も大変美しい仕上がりとなります。個人的には、今後時間をかけてビスポークのパンツをワードローブに増やしていきたいです。

ビスポークスーツの着用写真

ビスポークラインをおすすめする理由

ビスポークのクオリティはご理解頂けたかと思いますが、オーダー頂くにはまだまだ気になるポイントがあると思います。そのポイントをQ&A方式でご説明します。

Q ビスポークって高いんじゃないの?
A 決して安くはありません。しかし、前述しましたが、ドレッシングラボのビスポークラインは、クオリティに対してかなり良心的な価格設定とさせて頂いており、それにより気軽にビスポークを楽しんで頂ける様に意図しております。
ビスポークは少人数の職人で縫うと非常に時間がかかり、それだけで職人が生計を立てようと思うと大変高額な設定としなければなりません。ドレッシングラボのビスポークラインは仕立て工場のエース小島氏のテーラリングのもと、仕立て工場の全面的なバックアップが受けられるので、1着丸縫いのクオリティと、ファクトリーオーダーに近いプライス、納期の安定性などを実現。より身近により気軽に、ハイクオリティのビスポークを楽しんで頂くことができます。
Q ビスポークって贅沢じゃない?
A 耐用年数を考えると、全く贅沢ではありません。これはMTMにも共通して言えることですが、弊店では長くお召し頂ける様、お客様の着用シーンに最適な耐久性の生地とフィッティングをご提案します。
さらにビスポークはMTM以上にアイロンワークに時間がかけられますので、MTMでは付けることが難しいほどの量の縫代(ぬいしろ 縫い目の余分量)を付けることができます。これにより、仮に大幅な体型変化やお好みの変化があった場合も、十分に対応することができます。結果として、10年20年とご愛用頂くことが可能になります。
ビスポークご注文の際にも、長くお召し頂くことを見越しての生地のご提案、フィッティングのご提案を行いますので、ご安心下さいませ。きっと「あの時ビスポークでこの服をオーダーしておいて良かった!」とオーダーした数年後も着る度にしみじみと感じて頂けることと思います。
Q MTMの着心地に満足しているし、わざわざビスポークじゃ無くても良くない?
A これは正直、ご説明が難しいポイントです。着心地としては、ハンドメイドだからこその随所の手縫いやジャケットの前肩成型、パンツのS字ライン等等、もちろんMTM以上に着心地が良くなる工夫が沢山盛り込まれています。しかし弊店MTMは大変完成度・満足度が高いですし、ビスポークのクオリティを目指したファクトリーオーダーですので、単純に着心地の差だけでビスポークをおすすめするのは難しいほど、MTMは良く出来ています。ビスポークとMTMは「良さが違う」とご理解頂くのが良いと思います。
イタリアンに例えますと、普段はサラダにパスタにグラスワインで十分満足ですが、たまにはコース料理で、前菜からパスタ、メイン、ドルチェとじっくり時間をかけて楽しみたいこともあります。このコース料理に相当するのがビスポークではないかと思います。じっくりと時間をかけながら、お客様と私と職人の三人でお話をしてお客様のご要望を具体化していき、2回の仮縫いの過程ではそのご要望を形にしてさらに磨いていきます。時間も手間もかかりますが、その時間は楽しく、充実した豊かな体験となること請け合いです。この楽しい記憶が、またその服に袖を通す時に思い返されるのです。こんな豊かな服はなかなかありません。毎日フルコースだと飽きてしまう様に、いつもビスポークで無くても良いのです。でも1年に1回でも、「これだ」というお洋服をビスポークでお仕立てさせて頂きたいです。
また「仕上がりの雰囲気」もMTMとビスポークでは良さが異なります。MTMはファクトリーオーダーならではの、非常に端正でクリーンな仕上がりが特徴です。対してビスポークは、日本人の職人ならではの緻密な縫製でありつつ、ステッチ・ボタンホール・閂・襟の繋ぎ目など、手縫いが多用されます。手縫いは職人の手加減で縫いのテンションが調整され、ミシン縫製よりも遊びがあります。それによりとても味わい深く温かみのある仕上がりとなります。MTMの端正な仕上がりに対してビスポークの味のある柔らかい仕上がり、この辺りも良さの違いです。
ちなみに職人に言わせると、ご注文の生地に合わせてステッチの糸を変えるのがとても楽しいそうです。今回私が選んだのはドラッパーズのグリーンヒルズというかなり細番手の生地だったため、ステッチも細い糸で繊細ですが、もう少し分厚い生地だとステッチ糸も生地に負けない様太めにします。この辺りもビスポークの楽しさです。

ビスポークの楽しさ「ステッチ」
Q ビスポークだからお好みのままにと言われても、イメージが無いから困る
A これはMTMでもあるお悩みですね。「どの様なのがお好みですか?」と聞かれた時に、はっきりイメージをお持ちの方や説明できる方は良いですが、イメージがおぼろげだったり、いざ口に出して説明するのが困難なこともあります。

でもご安心下さい。ドレッシングラボではハウススタイルで仕立てたビスポークラインのスーツとジャケット、コートのサンプルがありますので、それをご覧頂きながら「ここをもっとこういう風に」といったご要望をお伺いできます。また私と職人の小島氏でお客様のご要望を引き出しつつ、10年20年と長くご愛用頂けるぴったりのスタイルを真剣に考えてご提案致します。「ずばり、こんなのをオーダーしたい!」という方はもちろん、「イメージはぼんやりだけど、とりあえずビスポークを体験してみたい」という方も、大船に乗ったおつもりでお越し下さいませ。
Q ビスポークってスーツだけ?フルオーダーだから何でも作れるの?
A MTMと違って何でも作れるビスポークですが、「好きこそ物の上手なれ」。やはり職人の得意とするアイテムこそ、期待以上の仕上がりになるというものです。弊店ビスポークラインの基本アイテムは、
・スーツ
・ジャケット
・パンツ
・ベスト
・コート各種(チェスター、ステンカラー、ラグラン、ダッフル、Pコート)
この様なラインナップです。職人の小島氏はスーツ、ジャケットの仕立てもピカイチですが、昔から古着が好きで、その知識をもとに雰囲気抜群のダッフルコートやPコートを趣味で仕立ててきた経緯があります。本人とビスポークの打ち合わせをした際にも「自分はコートが得意です!」と満面の笑みで言っていたので、コートのオーダーをご依頼頂くと、良い仕上がりは約束されたようなものです。特にダッフルコートやPコートは、MTMでは取り扱いが難しく、ビスポークし甲斐のあるアイテムです。クラシックなコートのディテールを踏襲しつつ、随所にテーラードの技法を盛り込んだこれらのコートは、「ドレス・ダッフル」とでも呼びたくなる様な仕上がりで、普段使いに加えてスーツスタイルとの相性もばっちりです。
ビスポーク ダッフルコート
ビスポーク チェスターコート
ビスポークコート
Q ビスポークはいつでもオーダーできるの?
A ドレッシングラボでは2〜3ヶ月に1回のペースで、職人の小島氏に来てもらいビスポーク・ラインの受注会を行っております。ご注文を頂きますと次の受注会の際に仮縫いのフィッティングを、そしてその次の受注会の際に中本縫いのフィッティングをさせて頂き、完成に至ります。受注会の予定は当ホームページやFacebookでお知らせして参りますが、ご希望のお客様には受注会の予定が決まり次第優先的にお知らせさせて頂くことも可能ですので、お気軽にご相談下さいませ
また仮縫いと中本縫いのフィッティングに関しては職人の小島氏が担当させて頂きますが、最初のヒアリングとフィッティングに関しては、私、林が承ることが可能ですので、予約フォームよりご予約を頂戴できましたら幸いです。

ドレッシングラボのビスポーク・ライン、いかがでしょうか。手前味噌ながら、クオリティ、納期、そしてプライスと、とてもバランスに優れたビスポークオーダーがご用意できたと自負しております。「柔らかいイタリアの雰囲気のビスポーク・スーツを気軽にオーダーしたい」 「ビスポーク・スーツを体験してみたいけれど、どこでオーダーしていいか分からない」「カジュアルなコートをフルオーダーしたいけど、オーダーできるところが見つからない」。どんなご要望の方もまずはドレッシングラボにご相談下さいませ。

弊店には常時私のオーダー品はじめ小島氏の仕立てたビスポーク服を展示しております。「ビスポークのジャケットを試着してみたい」「ビスポークの説明を聞いてみたい」など、お下見も大歓迎です。皆様のご予約・お問い合わせを心よりお待ち致しております。

RYO IKEDA ビスポークシャツ受注会
2024年12月13日(金)〜12月14日(土)
13:00〜19:00(予約制)

20241111_bespoke_shirts_66.JPG

シャツの仕立て職人・池田亮さんに来店いただき、
弊店では初となるビスポークシャツの受注会を開催することとなりました!

受注会について、まずはブログ記事をぜひご覧ください。
RYO IKEDA ビスポークシャツ前編「チョアジャケット」
RYO IKEDA ビスポークシャツ後編「ドレスシャツ」

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Bespoke Line
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服に関わる駆け込み寺として、お気軽にご相談頂いてお役に立てれば何よりです。
皆さまとお目にかかりお手伝いさせて頂ける事を心から楽しみに致しております。
※ご来店の際は必ずご予約をお願い致します。
お下見・ご相談だけでも喜んで承りますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。

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